OBJECT 35 OF 50

Wax Plate of Spaghetti

日本への初期の頃の旅と日本文化への理解が、どのように自身のデザインワークにおけるプリントへのアプローチや、キッチュなものを愛する感性に影響を与えてきたか、ポールのストーリーをお楽しみください。

日本にはおそらく100回は行っているが、初めの頃は今よりも自由に動ける時間があった。僕はとても熱心に出歩いて、日本の文化を理解し、日本の生活様式に浸った。

僕が発見したのは東京にある場所で、そこでは食品サンプルが作られていた。お客を呼び込んだり、食べたい料理を選んでもらうために、レストランの店先にある小さなケースに並べておくものだ。

ロウで作られていて、本当に精密で―まるでアートのようだ。僕はすっかり興味を引かれた。1つ買ってみた―皿に盛られたトマトソースのスパゲッティに、フォークがついている。僕はサルバドール・ダリを思い出した。

結構な値段はするが、実物そっくりに作るためには、相当な技術が必要となるからだ。僕らのショップのいいウィンドウディスプレイになると思った。これまでに何度も使っているが、ショップへの興味を引くのに実に役立っている。食品サンプルは、僕がこれまでに時々、キッチュさと美しさ、センスのよさと悪趣味さといった発想でどのように遊んできたのかを表すよい例だ。