AUTUMN/WINTER '20

50 Years of Paul Smith

ブランド50周年を祝し、アーカイブの重要なモーメントにdoodles（落書き）やスカイブルーのアクセントをあしらった2020年秋冬キャンペーン

ポール・スミス50周年を迎える2020年秋冬シーズンのキャンペーンは、ブランド史上重要なモーメントを振り返り、当時のイメージにポールのdoodles（落書き）への愛情や、今季のコレクションにポジティブな印象を与えるスカイブルーカラーなどのインスピレーションを、モダンに反映しています。

キャンペーンの制作においては、グラフィックデザイナーのウェイ・プライアーがポール・スミスのアーカイブの中から貴重な瞬間を捉えた写真を再解釈しました。また撮影は、フォトグラファーのグレッグ・リンが手がけています。若くクリエイティブな才能に溢れるアーティストたちとのコラボレーションにより制作されたイメージは、過去のスナップショットを現代のレンズを通して見つめています。

最初のポール・スミスショップは、1970年10月9日にノッティンガムのバイヤード・レーン６番地にオープンしました。Paul Smith Vêtements Pour Homme（ポール・スミスの紳士服）という名のショップでは、ポールがデザインした初期のアイテムとともに、名は知れているものの、当時イギリスではなかなか手に入らなかった多くのブランドのアイテムを取り扱っていました。ショップは週に2日しかオープンしておらず、3メートル四方のコンパクトな正方形のスペースでしたが、この時間と空間の制限によりポールは創造性を身につけました。 そしてアフガンハウンド犬のホーマーが、ショップマネージャーでした。

1976年にポールはパリで自身初のコレクションを発表しました。カジュアルとセミフォーマルとをミックスしたデザインで、ヴォージラール通りの友人のアパルトマンでショーを行いました。モデルやスタッフも皆ポールの友人でしたが、大盛況で非常にエキサイティングなショーでした。

「パリコレの歴史において、ドアベルを押さないと会場に入れなかった、おそらく唯一のファッションショーだったことでしょう。 」 – ポール・スミス

ファッションはもともとポールが最初から選んだ道ではなく、17歳頃までずっと、ポールの夢はプロのロードレーサーになることでした。悲惨な事故によりその夢が絶たれたとき、ポールはそれまでとは異なる道を選ばざるを得ませんでした。そして怪我から回復していく中、新たに友人になった人々を通じて、創造性、アート、デザインの世界に目覚めていきました。

ポール・スミスがブランド誕生から50周年を迎えるにあたり、ポールは今でも自身の生き方が変わったその瞬間のことを思い出します。事故当日に乗っていた自転車はまだポールの手元にあり、"out of bad, good things can come"（悪いことから良いものが生まれることもある）ということを思い起こさせます。