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Tokyo
80年代に初めて訪れて以来、ポールに無限のインスピレーションを与え続ける街、東京での一日を、ポールとともにお楽しみください
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Tokyo
80年代に初めて訪れて以来、ポールに無限のインスピレーションを与え続ける街、東京での一日を、ポールとともにお楽しみください
巧みにキュレーションされた古書を扱う古書店、蚤の市や食品サンプルを販売する専門店 ー 典型的な観光コースを少し外れ、ポールが東京でお気に入りの場所をご案内します。
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Oedo Antique Market
3 Chome-5-1 Marunouchi, Chiyoda City, Tokyo 100-0005
「市場(マーケット)は昔から大好きです。」
ロンドンのポートベロー・マーケットでも東京の大江戸骨董市でも、ポールは市場というものが、その地域のありのままの姿を知ることができる場所であることを知っています。 そこはまた、"新しい発見"を提供してくれる素晴らしい場所でもあります。
「市場は、私のデザインに対する考え方にも沿っています。そこでは美しい彫刻の隣に、非常にキッチュで悪趣味なおもちゃを見つけるかもしれません。」そのコントラストの素晴らしさやサプライズが、ポールのデザインワークと自身の世界中にあるショップ作りに対する考え方を教えてくれました。
大江戸骨董市はその典型ともいえる場所です。古いものと新しいもの、高価なものと使い捨てられるもの、キッチュなものと高品質なもの、それらが一緒に並んでいます。
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Hollywood Ranch Market
28-17 Sarugakucho, Shibuya-ku, Tokyo 150-0033
"マーケット"といえば、東京で時間ができると、ポールは長年の友人のひとりであるゲン(ハリウッド ランチ マーケットを展開するSeilin & Co.の創業者/オーナー 垂水 ゲン氏)に会いに行きます。
ハリウッド ランチ マーケットには、洋服からボヘミアンなライフスタイルまで、60年代のアメリカーナやヒッピーカルチャーに対するゲンの関心や愛情が反映されています。"life is a journey towards the guiding light"(旅は人生の道標)という言葉は、ゲンがアメリカ西海岸で出会った人生についてのスピリットであり、それはショップで展開するアイテムにも刻まれています。
ふたりはポールが日本を訪れるようになった80年代に友人になり、ゲンは東京のプレス、自身の友人やクリエイティブな人々をポールに紹介することで、当時はまだ異国の地であった日本でポールが足がかりを得る大きな手助けをしてくれました。
それから30年、現在日本には200店以上のポール・スミスのショップがあります。ポールとゲンは今も時々顔を合わせ、業界やクリエイティビティなどさまざまなことについて会話します。 今回ふたりはボンベイバザーに立ち寄りかき氷を楽しみました。 趣のあるこのオーガニックカフェは、ゲンが経営するショップひとつ、OKURAの地下にあります。
Daikanyama T-Site
16-15 Sarugakucho, Shibuya City, Tokyo 150-003
代官山エリアを散策すると、全く違ったスピードで東京を感じることができます。このリラックスした雰囲気のあるエリアは週末ともなると多くの人たちで賑わい、小さなショップやカフェ、公園にはそれぞれが個性に溢れています。
代官山の中心には、印象的なモダン建築で、ポールの友人でもある建築家ユニット、クライン ダイサム アーキテクツが設計し2011年にオープンしたライフスタイル提案型商業施設、代官山 T-SITEがあります。カフェやギャラリー、書店などを内包していて、 とりわけ巨大な蔦谷書店はポールのお気に入りのひとつです。「ここには世界中の雑誌が豊富に揃っています。」
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Totodo Books
Dai 2 Villa Aoyama 101, 5-7 Uguisudani-cho, Shibuya-ku
Tokyo
本といえば、T-SITEから徒歩10分のところに、規模は全く正反対の小さな書店があります。
東塔堂は、オーナーの大和田悠樹氏によって厳選された美術、デザイン、建築などの古書を専門に扱う古書店です。東京の多くの独立系ショップと同様、東塔堂にはオーナーの好みや興味が完璧に反映されています。店内に入ると、ショップというよりはまるで友人宅を訪れたような気持ちになり、オーナーにおすすめを尋ねることもできます。
ポールがこれまでに東塔堂を通して得たインスピレーションは数え切れず、それらはプリントや柄、ときにはコレクション全体に影響を与えてきました。「ここに来ると、何も買わずに帰ることがありません。」
Mandarake
5 Chome-52-15 Nakano, Nakano City, Tokyo 164-0001
まんだらけは、漫画、アニメ、日本の玩具や雑貨などのファンにとってメッカともいうべき場所です。
1987年に設立されたまんだらけは現在、中野ブロードウェイ内に30店舗を展開するほか、都内とその他の都市でもショップを展開しています。
ポールは昔からおもちゃの熱心なコレクターでした。「非常に活発なマインドを持つ子供たちを魅了し、夢中にするものをデザインすることは、とても魅力的だと思います。」
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Fake Food District
Kappabashi Street
最初に日本を訪れた頃、ポールは多くのレストランが外に飾っていたプラスティック製の食品サンプルに興味をそそられました。
「それらを店先に置くことで、レストランのメニューを誰にでもわかるようにしようとするのは、日本人の思いやりの表れでしょう。」
好奇心旺盛なポールは、調理器具や食器などを扱うかっぱ橋道具街を訪れ、そこで食品サンプルを専門に取り扱うショップに巡り合いました。「食品サンプルはまるでそれ自体がアート作品のようでした。高価で、ハンドメイドで、とてもキッチュで。私はそれらが大好きです。」
ポールはプラスティック製のスパゲッティのサンプルを購入し、ロンドンのオフィスに飾るために細心の注意を払ってイギリスに配送しました。 その後1994年に、そのお皿に乗ったスパゲッティのサンプルはフォトグラフィックプリントになり、プリントシャツの柄に使用されました。シャツはすぐさまベストセラーになり、このエピソードはポールの革新的なフォトグラフィックプリントへのアプローチを表す例として語られることになりました。
食べ物が食品サンプルに、食品サンプルがプリントのモチーフに、そしてそのモチーフはシャツの柄へと形を変えます。それは、ユニークなインスピレーションと東京という街との組み合わせでなければ決して生まれ得なかったものでしょう。
「Postcards from」シリーズ最終回、ポールはアメリカ・ロサンゼルスを訪れます。「ロサンゼルス編」は12月29日(日)公開です。どうぞお楽しみに。
Special thanks to all the locations and people featured in this film.
Directed by Jim Pilling
Produced by Vidsett
Photography by Lee Basford