2023年春夏シーズンPS Paul SmithのRed Earは、田舎町で作られる陶器をイメージしています。粘土は陶器へと変化を遂げ、そして割れたら金継ぎを経て次の世代へと継承される。そんなRed Earのスピリッツにも似た、陶器のプロセスをデザインに落とし込んだコレクションです

金継ぎをイメージしたカットソー。つなぎ目のディテールを強調させるため、手作業で縫い代部分をブリーチし変色させています。

ネップの入った生地に走るピッチ幅の広いストライプが、かすれたような落ち着いた印象を与えるジャケットとトラウザーズののセットアップスタイル。

ジャケットは右袖にリペアステッチが入ったミックスアップデザインで、硬くなり過ぎない雰囲気に仕上げています。

インナーには、和食器に使われるようなモチーフがあしらわれた長袖ニットポロを合わせ、クラシックかつモダンな抜け感のある着こなしに。

オリジナル配色のボーダーカットソーは、ボーダーから染み出た染料が独特なムラを作り出しているかのようなデザインで、陶器の釉薬から着想を得ています。

ジーンズはドライタッチで洗いざらした風合いが特徴のメンフィスコットン糸で織ったセルビッチデニムで、ゆるくテーパードのかかったワイドシルエットに仕上げています。陶芸の際に作業着についた土が乾いた様を連想させる加工を施しています。

度目の詰まった裏毛を使用し、部分的に別布を組み合わせ製品染めを施したパーカは、微妙な染色差が味わい深く上品な仕上がりです。

オーバーオールは、切り替えのデザインや右フロントポケット、リペアステッチ、左右で異なる色をあしらったストラップ留めのボタンなど、ポール・スミスらしいデザインディテールが特徴です。

軽やかなダブルガーゼの素材を使用したショーツは、素材感と脇に配置した大きなカーゴポケットがルーズなシルエットを演出します。

岩肌に着想を得たブルゾンは、オーガニックコットンとシルクネップを組み合わせた生地に、特殊なシワ感が出る加工を施し、さらにレーザー抜染で染料を削ることで、岩肌のような見え感を表現しています。

コットン100% でありながら麻のようなドライタッチが特徴のニットと、トラウザーズ感覚でコーディネートが楽しめるスウェットパンツ。インナーに合わせたのは、工場で働く職人が着用するコーポレートウェアから着想を得たデザインのカジュアルシャツです。

土っぽさやユーズド感の中に、繊細な手仕事や奥ゆかしいディテールが散りばめられた2023年春夏のコレクションをお楽しみください。