少しドレスダウンした賢いスーツスタイルのグッドサンプル。天然の機能素材、トロピカルウールを使った夏も清涼なスーツは、ナチュラルショルダーとリラックスフィットが特徴の「BLOOMSBURY」モデル。ライトグレーにライラックのオーバーチェック柄も相まって柔らかな印象に。インナーに合わせたTシャツは、リブネックにあしらわれた「アーティストストライプ」が程よいアクセントで、足元に合わせたスニーカーとともに定番化した「スーツ×Tシャツ」スタイルの新提案としたい。仕事終わりにいつもより足を伸ばして、ついお気に入りの本屋まで行ってしまうような、気取らないスタイルが魅力。

ロンドン、NYC、東京……ビジネス街でのスマートな装いの基本にして究極は、スリーピーススーツを基調としたスタイル。イタリアの生地メーカー、トラバルド・トーニャ社製のダークグリーンカラーの生地を使用したスーツに、一見地味に見えながら、当たる光の加減で柄の濃淡が変わるネイビーのオルタネイトストライプなんて選べたら、言うことなし。ミニマムなVゾーンを構成するシャツも、ここでは遠目には無地に見えるフローラル柄のジャカード生地を使用したものをチョイスして「遊び心」を。たくましい装いに気持ちも引き締まる。

1着は持っていたい上質素材のスリーピーススーツ。ここぞというシーンで気負わずモダンに着こなすには、清潔感のある白シャツと同色のポケットチーフ、スーツから色を拾ってセレクトしたネクタイを合わせればまず間違いない。軽量でシワになりにくく、耐久性にも優れたドーメル社の「アマデウス365」を使用した生地には、英国らしさを感じさせるポール・スミスオリジナルのウィンドウペーン柄をあしらっている。

ブラウンをベースにブラックとダークレッドを使った好配色のグレンチェック柄スーツは、構築的な肩のラインと幅が広いラペルのジャケット、そしてスリムストレートシルエットのパンツが特徴のスーツ「BRIERLEY」モデル。生地は軽量かつ清涼でシワにも強いレダ社の「レダ アクティブ」を使用している。ブラウン〜ボルドー系の重厚なVゾーンがポイント。ワーキングアワーからナイトアウトまで対応するユーティリティスタイリングだ。

ヘリンボーン織りの生地に同色柄を仕込んだシャドウストライプの一着は、繊細でハイクオリティなSuper120’sのウール生地にペーパープレスフィニッシュを施すことでうまれる上品な光沢感がポイント。コーディネイトも同系色のシャンブレーシャツとニットタイで極シンプルに。抑制の効いた着こなしには、自分自身が主役だという自信が表れる。

ビジネススタイルの定番色ネイビーやグレーにブラウンの差し色を加えることで、着こなしの楽しみは一段と広がる。しかも年齢を重ねた人ほど似合うから不思議なのだ。ミディアムグレーにブラウンのオーバーチェックを配したスリーピーススーツには、オーソドックスな白シャツとブラウン系のネクタイを合わせて、足元にブラウンレザーのシューズもお忘れなく。オフィスに限らず、ギャラリーや美術館などアートのシーンにおいてもひと際プレゼンスを発揮するスタイルだ。

曇天すら楽しくなる色彩のコーディネイト。グレーとフォレストグリーンの絵の具を溶け合わせたような繊細なカラートーンのジャケットは、レダ社のウールリネン生地で仕立てたもの。ざっくりとした織り組織も相まって大人な印象だ。ボトムスにカジュアルなワンプリーツチノを合わせながら、水彩画タッチのスカーフやアースカラーのセーター、彩度の高いポケットチーフを加えてみた。