「一生モノ」、そう思えるのがこのネイビージャケットだ。エルメネジルド・ゼニア社の「トロフェオ」（伊語でトロフィーの意）というスーパーファインメリノウールで作った最高峰の生地を生かすため、芯地を使用した軽い着心地が最大のポイント。オーソドックスな合わせはもちろん、フローラルプリントシャツやサックスブルーのパンツなど、カラフルで遊びが効いたものとも好相性。心身ともにリラックスし、清々しい気持ちで朝を過ごせば、きっとその日は最高の1日になる。

ソリッド（無地）なスーツにこそ違いが表れる。ここで着用しているのは明るめのネイビーで、カラフルな横糸を使用することで品のいい光沢を放っているのがオリジナリティ。しかもナチュラルなストレッチで、フィッティングの良さを快適に楽しめる。スリーピースで揃えておけば、合わせるネクタイやシャツでビジネスからフォーマルなシチュエーション、そして華やかなシーンまで使えるオールラウンドプレイヤーに。無難なネイビーとはひと味違う。

ドレスクロージングは色柄や素材で季節感を楽しみ、演出できるとスマート。そこで初夏から盛夏にかけてのレコメンドがベージュのリネンセットアップだ。高温多湿エリアでの着用をルーツに持つ生地は、見た目も着心地も清涼。着用時間が経過すると自然にできるシワを楽しむのも粋だ。ポロシャツでカジュアルに着こなすのはもちろん、タイドアップにも相応しい最高のサマーアイテムだ。美意識を養うためのアート鑑賞や、歩きまわるリサーチ時に重宝する。

ミーティングが重なる忙しい日でも、上質な印象のビジネスウェアとして着られて、ウェディングなど祝祭の場でも使えるスーツを求めるならこんな一着を。クセのないレギュラーフィットモデル「SOHO」のブラックスーツは、ドビー織りという技法で同色の中に凹凸感と光沢感を表現する生地を使用。また、ラペルに沿う手縫い風のAMFステッチを白にすることでさらに存在感が。黒いアイテムでまとめたモノトーンコーディネイトも楽しんでほしい。

フィールドリサーチなどの活動的なシーンや、ラフにTシャツ＆デニムで合わせたいのが、このジャケット。ふっくら柔らかく立体感があるニット調の生地は、ウールにコットンとリネンをブレンドしたものでナチュラルストレッチがきいている。エクリュ、ベージュ、ブラウン、そしてホワイトで織られた優しい柄は、ボケ味の美しい写真表現のような美しさがある。写真を愛するポール・スミスがファインダー越しに覗いた世界を想像させる。

「ネイビー×グレー」という王道の色合わせを、柄や素材感で自分らしさとバリエーションを作るスタディ。くっきりしたオルタネイトウィンドウペーン柄が特徴のネイビージャケットと、ウール製シアサッカーパンツとのジャケパンコーディネイト。襟と袖にティップラインをあしらい、前立てにシグネチャーストライプをあしらったベリーブリティッシュなコットンニットポロもポイント。自転車での移動時にも窮屈にならず快適なスタイルだ。

「色を拾う」。クロージングスタイルのプリンシプルとして知っておきたいこと。例えばライトグレーをベースにミディアムグレーとライラックを使った大胆なグレンチェック柄スーツ。ライラックを拾ってネクタイを選び、シャツも白に近い淡いライラックでバランスを。主役となったスーツはジニョーネ社のトロピカルウール素材を使い、ナチュラルショルダーとリラックスフィットの「BLOOMSBURY」モデル。しっかりとした印象のビジネススタイルでも、センスの良いカフェに自然と馴染む。

ダークブラウンに、よく見ると細かな織り柄があり、トーンを抑えた青いストライプをあしらった繊細な表現の生地は、エルメネジルド・ゼニア社の「トラベラー」。その名のとおり出張などでうれしいシワになりにくい素材を、レギュラーフィットモデルのスーツ「SOHO」に。小紋柄のドビー織りシャツや「P」「S」といったブランドのタイポグラフをあしらったネクタイもパッと見は控えめだが、実は……。というチョイスにエレガンスが宿る。