イギリス・ノッティンガム出身のポールは、18歳の頃からロンドンを訪れるようになりました。「ここは例えるなら、たっぷりとエネルギーをチャージできるような街です。」 そのエネルギーは彼のキャリアの大部分を支えており、ロンドンはポール・スミスがイギリスのブランドから6大陸にショップを展開するインターナショナルビジネスへ成長した現在でもその中心にあります。
ロンドンの街でポールは、お気に入りの美術館やアートギャラリーを訪れ、アーティストの友人と会い、何がロンドンを特別な街にしているのかに思いを巡らせます。
ありふれたシティガイドとは異なる、各都市から届く"ポール・スミスからのポストカード"をどうぞお楽しみください。
The Delaunay
55 Aldwych, Holborn, WC2B 4BB
ポールの一日は、しばしばThe Delaunayから始まります ― もちろん日課としている午前5時の水泳を終えてからの話ですが。ロンドン本社から歩いてすぐ、ドルリー・レーンの劇場街にも近いこの伝統的なウィーンのブラッスリーは、完璧に入れられたカプチーノとクロワッサンを仕事前に楽しんだり、ゆっくりと新聞を読むのに最適な場所です。
Sir John Soane’s Museum
3 Lincoln’s Inn Fields, Holborn, WC2A 3BP
ポールのロンドンオフィスは、まるでサー・ジョン・ソーンズ美術館の現代版のようだと言われます。 ポールはこれをすぐさま謙虚に否定しますが、サー・ジョン・ソーンもポールも、建築、芸術、デザインに深く魅了されている点が共通していることは否定できません。
建築家であり収集家であったジョン・ソーンの遺産を保存するために1837年に建てられたこの美術館は、新古典主義の彫像からエジプトの石棺まで、世界中のさまざまなアートやオブジェを所有しています。
規模は小さくとも、非常に奥の深い美術館です。 「どんな形であれ、もしデザインに興味があるのなら、ぜひ訪れてみてください。デザインに関して何らかの刺激が得られるはずです。」
Royal Academy of Arts
Burlington House, Piccadilly, W1J 0BD
ロンドンの有名な美術館やギャラリーは、ポールにインスピレーションを与える機会を豊富に提供してくれます。お気に入りの美術館がある一方で、ポールとロイヤル・アカデミー・オブ・アーツとは、特別な繋がりも持っています。
「ロンドンの中心地にあり、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツがほかと違ってユニークなのは、歴史のあるアートスクールが隣接していることです。」一流のアーティストらのエキシビション ― 現在はアントニー・ゴームリーの彫刻を展示中 ― だけでなく、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツは才能の育成にも定評のあるアートスクールです。
ポールは90年代半ばから、積極的にアートへの支援を行っています。 妻のポーリーンが当時、社会人学生としてスレード・スクール・オブ・ファインアートに通っていたため、ポール自身もより深くアートの分野に関わるようになりました。1994年には「ポール・スミス スカラシップ」という奨学金を創設し、後にロイヤル・アカデミー・オブ・アーツに移設されることとなりますが、現在でも同奨学金を通して学生をサポートしています。
「ロンドン編」の撮影中にポールは、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツに立ち寄り、現在奨学金を受け学んでいるルーク・サミュエルを訪ね、アートについての会話を楽しみながら彼のスタジオを見学しました。
またこの動画には、「ポール・スミス スカラシップ」の最初の受賞者であるジェームス・ロイドも登場しています。 運命の巡り合わせにより、ジェームスは奨学金の付与が終了した後1997年に、その年のBP Portrait Award受賞者への賞の一部として、ポールの肖像画を描く機会を得ました。その作品は現在、 ナショナル・ポートレート・ギャラリーに展示されています。
Browse & Darby
19 Cork St, Mayfair, W1S 3LP
アートを巡る散策は、ロンドンのコーク・ストリートへと続きます。ブラウズ&ダービーは、ポース・スミスのNo. 9 Albemarle Street ショップから徒歩で5分弱の場所に位置する、特定のジャンルの絵画を取り扱う小さなアートギャラリーです。
「ブラウズ&ダービーの素晴らしいところは、彼らが何年も同じ場所で営業していることです。同業他社が、かつては数多くのギャラリーで賑わっていたコーク・ストリートから去った後も、彼らは変わらずにここで自分たちのベストを尽くし続けています。顧客との関係作りに力を入れるとともに、スレード・スクール・オブ・ファインアートの卒業生らにより確立されたスタイルを体現するアーティストたちをサポートしているのです。」
Paul Smith No. 9 Albemarle Street
9 Albemarle St, Mayfair, W1S 4BL
土曜日にロンドンの旗艦店であるNo. 9 Albemarle Street ショップを訪れると、かなりの可能性でポールがカウンターの向こう側に立ち、接客をしている姿を目にする機会があることでしょう。ショップで接客することは、今でもポールが最も好きなことです。
メイフェアの中心部に位置するこのショップは、特定の種類の顧客を魅了しています。 「多くのお客様が非常にクリエイティブでエキサイティングな仕事に就いている方たちであることを、とても嬉しく思っています。」
世界中の建築家たちは、ショップのユニークな鋳鉄のファサードに関心を示します。また、ショップの地下スペースは、ギャラリー、ショールーム、そして時にはジョン・ブースからデヴィッド・ベイリーまで、さまざまな分野のアーティストのスタジオとして機能する独自の魅力を持っています。
No. 9 Albemarle Street ショップは、アンティーク家具を取り扱うショップとしてスタートし、その個性を現在も維持しています。 家具はアート作品やオブジェ、ポール・スミスの商品などと共に店内に並んでいます。 「そうすることで、私たちのショップはとても面白くなりますし、世界中にあるその他のショップとは違った個性的なものになります。」
「私はいつも、お店が特定の種類の洋服だけを揃えていて、一風変わった物を置かないのはおかしいと思っていました。なぜなら人間として、私たちはもう少し特別なのではないかと思うのです。」
「Postcards from」でポールが次に訪れる都市はフランス・パリです。「パリ編」は12月15日(日)公開となります。どうぞご期待ください。
Directed by Jim Pilling
Produced by Vidsett