ポールのサイクリングジャージコレクション
マーク・カヴェンディッシュや クリス・フルームらが着用したツール・ド・フランスのジャージやグリーンジャージ、マリア・ローザなど、ポールの個人的なサイクリングジャージコレクションにまつわるストーリーをご紹介します
ポールのオフィスには、本や美術品、小物のコレクションが山ほど積まれていますが、中でもサイクリングの記念品の多さは群を抜いています。打ち合わせなどでポールのオフィスを訪れたスタッフが自転車につまずいたり、席を探すのに苦労したのは1度や2度ではありません。ポールのデスクの近くには自転車が場所を取り合うように並び、その隣にはヴィンテージ品から新しいモデルまで、サイクリングジャージが危うげなバランスで積まれています。
ポールがサイクリングをこよなく愛し、不慮の事故によって新たな道を歩むことになるまで、プロになることを夢見ていたことはよく知られています。「私がサイクリングの“スタイル”に惹かれたことにも驚かないでしょう。ファウスト・コッピのサングラスやジャック・アンクティルのジャージ、カンパニョーロのユニフォームの美しいグラフィックは、私の作品に絶えずインスピレーションを与えてくれています」とポールは語ります。
ポールがヴィンテージのサイクリングジャージを集め始めたのも、そのスタイルに感銘を受けてのことでした。「デザイナーとしてインスピレーションを得る方法のひとつとして、ストリートマーケットに行くことがあるのですが、そうする中で特にイタリアで昔のサイクリングジャージに出合い、買い集めるようになったのです」と説明します。ポールがサイクリング界の人たちと交流するようになりジャージコレクションのことが知れ渡ると、彼らは時には自分のサインを入れ、また時にはレースナンバーが付いたままの自身のジャージをポールに送ってくれるようになりました。
ここで全て挙げることはできませんが、ポールのジャージコレクションには、スポーツ界のレジェンドたちから贈られたものも含まれています。そのほんの一部をご紹介しましょう。
マーク・カヴェンディッシュや クリス・フルームらが着用したツール・ド・フランスのジャージやグリーンジャージ、マリア・ローザなど、ポールの個人的なサイクリングジャージコレクションにまつわるストーリーをご紹介します
ポールのオフィスには、本や美術品、小物のコレクションが山ほど積まれていますが、中でもサイクリングの記念品の多さは群を抜いています。打ち合わせなどでポールのオフィスを訪れたスタッフが自転車につまずいたり、席を探すのに苦労したのは1度や2度ではありません。ポールのデスクの近くには自転車が場所を取り合うように並び、その隣にはヴィンテージ品から新しいモデルまで、サイクリングジャージが危うげなバランスで積まれています。
ポールがサイクリングをこよなく愛し、不慮の事故によって新たな道を歩むことになるまで、プロになることを夢見ていたことはよく知られています。「私がサイクリングの“スタイル”に惹かれたことにも驚かないでしょう。ファウスト・コッピのサングラスやジャック・アンクティルのジャージ、カンパニョーロのユニフォームの美しいグラフィックは、私の作品に絶えずインスピレーションを与えてくれています」とポールは語ります。
ポールがヴィンテージのサイクリングジャージを集め始めたのも、そのスタイルに感銘を受けてのことでした。「デザイナーとしてインスピレーションを得る方法のひとつとして、ストリートマーケットに行くことがあるのですが、そうする中で特にイタリアで昔のサイクリングジャージに出合い、買い集めるようになったのです」と説明します。ポールがサイクリング界の人たちと交流するようになりジャージコレクションのことが知れ渡ると、彼らは時には自分のサインを入れ、また時にはレースナンバーが付いたままの自身のジャージをポールに送ってくれるようになりました。
ここで全て挙げることはできませんが、ポールのジャージコレクションには、スポーツ界のレジェンドたちから贈られたものも含まれています。そのほんの一部をご紹介しましょう。
この緑のジャージは、マーク・カヴェンディッシュがHTC-Columbiaに所属していた2010年、ブエルタ・ア・エスパーニャでイギリス人選手として2人目のグランツールでのポイント賞受賞を果たした時に着用していたものです。マークがメジャーツアーで緑のジャージ(いわゆる「マイヨ・ヴェール」)を獲得したのはこの時が初めてで、レースナンバーが付いたままとなっています。「私はカヴが若い頃から知っています」と、ポール。「彼はいつも礼儀正しく、紳士的で、とても謙虚です。ちょっと強気で率直な性格だとの評判もありますが、それがスプリンターというものだと思います。ライバルの肘を胸に受けながら時速70キロで走っているときに弱さを見せてはいられませんからね」
この緑のジャージは、マーク・カヴェンディッシュがHTC-Columbiaに所属していた2010年、ブエルタ・ア・エスパーニャでイギリス人選手として2人目のグランツールでのポイント賞受賞を果たした時に着用していたものです。マークがメジャーツアーで緑のジャージ(いわゆる「マイヨ・ヴェール」)を獲得したのはこの時が初めてで、レースナンバーが付いたままとなっています。「私はカヴが若い頃から知っています」と、ポール。「彼はいつも礼儀正しく、紳士的で、とても謙虚です。ちょっと強気で率直な性格だとの評判もありますが、それがスプリンターというものだと思います。ライバルの肘を胸に受けながら時速70キロで走っているときに弱さを見せてはいられませんからね」
遡ること13 年前の 2010 年、ポールはノルウェーのプロライダー、エドヴァルド・ボアソン・ハーゲンよりチームスカイのジャージを贈られました。今ではノルウェーのサイクリングレース「Norwegian National Time Trial Championships」で10回優勝を果たしたエドヴァルドですが、当時は弱冠22歳。エドヴァルドのジャージには、サー・ブラッドリー・ウィギンスを含むチーム全員がポールのためにサインをしてくれました。現在INEOS Grenadiers(イネオス・グレナディアーズ)として知られるこのチームが設立されたのは、それまで大きな成功を収めてこなかったイギリスのサイクリング界に新しい時代が訪れようとしていた時でした。それ以来、多額の投資と研究、そして有名な「マージナルゲイン」戦略により、イギリス人選手はサイクリングとロードレースの世界にその名を刻み、グランツール、 世界選手権、オリンピックで数多くの勝利を果たしてきたのです。
遡ること13 年前の 2010 年、ポールはノルウェーのプロライダー、エドヴァルド・ボアソン・ハーゲンよりチームスカイのジャージを贈られました。今ではノルウェーのサイクリングレース「Norwegian National Time Trial Championships」で10回優勝を果たしたエドヴァルドですが、当時は弱冠22歳。エドヴァルドのジャージには、サー・ブラッドリー・ウィギンスを含むチーム全員がポールのためにサインをしてくれました。現在INEOS Grenadiers(イネオス・グレナディアーズ)として知られるこのチームが設立されたのは、それまで大きな成功を収めてこなかったイギリスのサイクリング界に新しい時代が訪れようとしていた時でした。それ以来、多額の投資と研究、そして有名な「マージナルゲイン」戦略により、イギリス人選手はサイクリングとロードレースの世界にその名を刻み、グランツール、 世界選手権、オリンピックで数多くの勝利を果たしてきたのです。
2013年のツール・ド・フランスで、イギリスの名選手クリス・フルームが総合優勝を果たしました。前年のブラッドリー・ウィギンスに次いで2人目のイギリス人選手の優勝であったことに加え、100周年という記念すべき年であったため、これは歴史的な勝利として語られることになります。このレースにはモン・ヴァントゥやアルプ・デュエズを含む有名な山道があり、最も過酷なステージがあったとも言われています。クリスは、1970年代後半に妻のポーリーンと初めてツール・ド・フランスを観戦したポールに、サイン入りのジャージを贈りました。「私たちはコンコルド広場で、シャンゼリゼ通りに入っていくライダーたちの雄姿を眺められる場所を見つけました。妻も私も背が高いのですが、あまりにも観客が多いので、彼らの頭上越しに見るために紙でできた潜望鏡のようなものを使わなければならなかったほどです」とポールは語ります。
2013年のツール・ド・フランスで、イギリスの名選手クリス・フルームが総合優勝を果たしました。前年のブラッドリー・ウィギンスに次いで2人目のイギリス人選手の優勝であったことに加え、100周年という記念すべき年であったため、これは歴史的な勝利として語られることになります。このレースにはモン・ヴァントゥやアルプ・デュエズを含む有名な山道があり、最も過酷なステージがあったとも言われています。クリスは、1970年代後半に妻のポーリーンと初めてツール・ド・フランスを観戦したポールに、サイン入りのジャージを贈りました。「私たちはコンコルド広場で、シャンゼリゼ通りに入っていくライダーたちの雄姿を眺められる場所を見つけました。妻も私も背が高いのですが、あまりにも観客が多いので、彼らの頭上越しに見るために紙でできた潜望鏡のようなものを使わなければならなかったほどです」とポールは語ります。
このジャージには、ポールにとってとりわけ特別なストーリーがあります。「2013年、ジロ・デ・イタリア(ヨーロッパ3大グランツールのひとつ)の主催者から、『マリア・ローザ』と呼ばれる総合優勝者が着るピンクのジャージ(ツール・ド・フランスのイエロージャージに相当する)を含む、その年のレースのジャージのデザインを依頼されました。そのマリア・ローザはバチカンに運ばれ、レース開始前にローマ法王の祝福を受けました。これは私がデザインする洋服すべてに起きることではありませんよ」とポールは説明します。シンプルなデザインのジャージですが、袖にはポール・スミスを象徴するシグネチャーストライプが施されています。この長袖のジャージは、マーク・カヴェンディッシュがナポリの第1ステージで優勝した時、ポール自身が贈呈したものです。
このジャージには、ポールにとってとりわけ特別なストーリーがあります。「2013年、ジロ・デ・イタリア(ヨーロッパ3大グランツールのひとつ)の主催者から、『マリア・ローザ』と呼ばれる総合優勝者が着るピンクのジャージ(ツール・ド・フランスのイエロージャージに相当する)を含む、その年のレースのジャージのデザインを依頼されました。そのマリア・ローザはバチカンに運ばれ、レース開始前にローマ法王の祝福を受けました。これは私がデザインする洋服すべてに起きることではありませんよ」とポールは説明します。シンプルなデザインのジャージですが、袖にはポール・スミスを象徴するシグネチャーストライプが施されています。この長袖のジャージは、マーク・カヴェンディッシュがナポリの第1ステージで優勝した時、ポール自身が贈呈したものです。
レインボージャージ(マイヨ・アルカンシェル)はサイクリング界で最も栄誉ある勲章のひとつです。かつてマーク・カヴェンディッシュは、これを獲得することはオリンピックの金メダル以上の価値があるとも語りました。レインボージャージは、ロードバイクの世界選手権の優勝者に与えられるもので、1927年にレースがアマチュアだけでなくプロにも開放されて以来、伝統的な存在となっています。世界選手権で勝利すると、王座が奪われるまで、レインボージャージを着て走る権利が与えられるのです。2011年に優勝したマークは、そのうちの1枚をポールに贈る際、「最高の友人のひとりであるポールへ。いつもありがとう」というメッセージと、彼の「シグネチャーサイン」であるサイクリストの落書きを添えたのでした。
レインボージャージ(マイヨ・アルカンシェル)はサイクリング界で最も栄誉ある勲章のひとつです。かつてマーク・カヴェンディッシュは、これを獲得することはオリンピックの金メダル以上の価値があるとも語りました。レインボージャージは、ロードバイクの世界選手権の優勝者に与えられるもので、1927年にレースがアマチュアだけでなくプロにも開放されて以来、伝統的な存在となっています。世界選手権で勝利すると、王座が奪われるまで、レインボージャージを着て走る権利が与えられるのです。2011年に優勝したマークは、そのうちの1枚をポールに贈る際、「最高の友人のひとりであるポールへ。いつもありがとう」というメッセージと、彼の「シグネチャーサイン」であるサイクリストの落書きを添えたのでした。
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