アムステルダムを拠点とするPop Trading Companyとのコラボレーションにより誕生したコレクションは、スケートとシグネチャーストライプにインスピレーションを得ています。カラーやプリントが目をひく中、ワークウェアとテーラリングとの融合にも注目ください

スケートスタイルというと、まず何を思い浮かべるでしょうか？おそらくテーラリングではないでしょう。明るい色でも、大胆なストライプでも、目を引くプリントでもないかもしれません。ところがポール・スミスがアムステルダムを拠点とするPop Trading Companyと取り組んだ新しいコラボレーションでは、これらの要素がまさに主役です。

Pop Trading Companyは、スケートボードの世界に現代的な視点をもたらすことを使命としています。ワークウェア、実用性、ストリート、スケートスタイルなどの要素を融合させるのが得意で、ユニークかつ新鮮な観点を持っています。ブランドの共同創業者であるピーター・コルクスとリック・ヴァン・レストの言葉を借りれば、「ウェアラブルで、ディテールが繊細で、クオリティが高く、コストパフォーマンスに優れ、大人っぽくて、スマートで、ちょっと生意気なところもある」のです。

ポール・スミスのシグネチャーストライプと90年代の雰囲気に強くインスパイアされた今回のコラボレーションコレクションでは、ワークウェア風のアンコン仕立てのスーツ、ユーティリティースタイルのベスト、テクニカルジャケット、ノースリーブニット、ゆったりしたポロシャツ、グラフィックTシャツ、カジュアルシャツ、バケットハット、スケートボードなどのアイテムを展開します。

コレクションの中でお気に入りの作品についてリックは、「スーツを着るのを楽しみにしています。とてもユニークなスーツだと思うし、シアサッカーの生地が素晴らしく、カットも美しい。ふたつのブランドがコラボレーションしなければ、絶対に作れなかったアイテムだと思います」と話してくれました。

一方ピーターは、リバーシブルのポップオーバーフードジャケットについて、「フィット感がよく、ボクシーなシェイプが（僕みたいで）気に入っています。カジュアルにもスマートにも着こなせるのがいい。ブルーの側にあしらわれているマルチカラーのダブルネームのブランド表記がすごく素敵だし、リアム・ギャラガーのような雰囲気が出るでしょう？」と語ります。

もちろん、ポール・スミスのすべてのコレクションに共通することですが、今回のコレクションにおいてもカラーが重要な要素です。オレンジ、ライムグリーン、プラムなど、まさにポール・スミスらしいパレットが特徴的で、落ち着いた色調が溢れがちなスケートスタイルとは一線を画します。

ピーターとリックはまた、「このようなことができるのは、信じられないほど光栄なことです。私たちは、個性的でユニークな展望を持つブランドと仕事をするのが大好きです。特に、今回の場合ではそれを体現する人、サー・ポール・スミスに端を発しているなら尚更です。そういう相手を選ぶことで、Pop Trading CompanyのDNAをコレクションに反映しやすくなります。力強いデザインを私たちのブランドと組み合わせることで、ふたつの異なる世界をうまく融合させることができ、互いのブランドの魅力が失われることもありません」と話します。

今回のコラボレーションで最も興味深いのは、ポール・スミスの膨大なアーカイブがインスピレーション源として活用され、中にはほぼ同じようなデザインのアイテムが生まれたことでしょう。「リバーシブルベスト、ダブルブレストスーツ、パターン、シャーティングなど、ポール・スミスらしい洋服を探すことから始め、それらを出発点として、私たちの生地やディテール、カットを加えていきました」とピーターとリックは説明します。「またその逆も試みました。例えば、典型的なPop Trading Companyスタイルであるカーゴパンツに、ポール・スミスのディテールを加えたのです」

チューリップ柄はまさにその一例です。ポールが先駆的に取り入れていたフォトグラフィックプリントの柄は、90年代にポール・スミスのショーの招待状に使用されていたモチーフであり、花に対するポールの愛情とPop Trading Companyのルーツであるオランダにちなみ、コレクションに取り入れられています。

「このコレクションで本当にエキサイティングだったのは、ピーターとリックが新鮮な目でポール・スミスのアーカイブを眺め、過去のデザインをルーツにしつつも、完全に現代的なコレクションを作るに十分なインスピレーションを得てくれたことです」と、ポールは言います。「カラー、ストライプ、テーラリングといったポール・スミスの代名詞と、Pop Trading Companyのリラックスしたシルエットとがシームレスに融合しています」

発売を記念して、Pop Trading Companyのスケーター、パスカル、ローガン、アレックス、ノア、ウィレムに、スケートボードの魅力や、スケートボーダーとしてのプライドを感じるのはどんなときかを尋ねました。

Pascal Moelaert

スケートの魅力は何ですか？

ありきたりな答えだけど、親しい友だちとスケートパークやスポットで一緒に過ごせるのが一番。

スケーターとして認められたのはいつだと思いますか？

スケートの世界で自分が認められてるなんて思わないけど、今スケートでお金を稼いでいることは本当に信じられないよ。特に、自分の職業が「スケーター」だと言えるなんてね。

Logan Da Silva Ortiz

スケートの魅力はなんですか？

自由を与えてくれたこと。以前はかなり真剣にサッカーをしていたので、毎週トレーニングをしてコーチの望むことをやっていたんだ。スケートボードを始めたら、好きなことを好きなときにやっていいんだということに気づいて、人間的にすごく変わったと思う。スケートボードを本格的に始めたおかげで、今回のコラボレーションで東京のようなクールな場所に行くこともできたし、僕と同じようなビジョンを持つたくさんの素敵な人たちに出会うこともできて、本当に恵まれていると思う。

スケーターとして認められたのはいつだと思いますか？

この質問は答えるのがちょっと難しいけど、たぶん、僕のスケートが好きだと言ってくれる人が出てきたときから、自分自身のことを誇れるスケーターになったんだと思う。

An Vo

スケートの魅力はなんですか？

より自由なビジョンと、広い視野を持てること。

スケーターとして認められたのはいつだと思いますか？

ダンスフロアで一番上手なダンサーは誰だと思う？スペシャリストではないよ。

Willem van Dijk

スケートの魅力はなんですか？

すごくクールなところ。友だちと一緒に外で思い切り楽しむことができるし、ルールなんてない。やりたいときにいつでもできる。トリックを決めるために自分を追い込んで、うまくいって滑り出すときは爽快な気分だよ。

スケーターとして認められたのはいつだと思いますか？

正直なところ、何かを成し遂げたのかはわからない。もうかなり長いことスケートをしているけどね。20年以上かけて、自慢できるようなトリックをいくつかやってきたから、もしかしたらそれがスケーターとしての功績に近いのかもしれない。