Paul Smith Straight from Milan Spring Summer ’27

A FESTIVE COLLABORATION Paul Smith x The Royal Opera House このホリデーシーズン、ポール・スミスは英国の創造性を象徴するもう一つの存在、ロイヤル・オペラ・ハウスとパートナーシップを結びました。色彩、ストーリーテリング、そして英国の文化を祝う、喜びに満ちたコラボレーションです。このコラボレーションは、ポール・スミスとコヴェント・ガーデンの長きにわたる絆を称えるものでもあります。1979年、ポールがロンドン初のショップを構えたのは、オペラ・ハウスからほど近いフローラル・ストリートでした。
ポールは長年にわたりスーツを愛用し、よく仕立てられたテーラリングがもたらす、機能性とエレガンスの調和を大切にしています。家族旅行で目にした、海の中でもスーツを着ていた祖父の姿や、トスカーナで葡萄の収穫を手伝った際に白いリネンスーツを汚した自身の経験が、このコレクションの着想源となりました。今季は、テーラリングを特別な場のためのものではなく、日々をともに過ごし、時間と経験を重ねるなかで個性を帯び、物語を宿していく服として描き出しています。
デザインディレクターのヘレン・ホームズとサム・コットンのもと、ポール・スミスのアーカイブが新たな視点で見つめ直されています。1980年代、ポールは、それまでユニフォームのように硬く均一だったテーラリングに柔らかさと軽やかさをもたらしたムーブメントの重要な存在でした。テーラリングの決まりごとを軽やかにずらしてきたその歴史が、今季あらためて息を吹き込まれています。袖口は折り返され、タイは緩み、シャツのボタンは外され、夏の暑さに向き合うようなリラックスした佇まいが生まれています。
スコットランドで織られたトロピカルウィーブ、ムリネのシアサッカー、プリントを施したシルク羽二重などの素材が、しなやかなエレガンスをもたらします。裏地を省いたテーラリングや柔らかなシルエットには、着込まれたような自然な表情が漂います。一方で、ガーメントの内側には、手作業によるパッドステッチ、フラワーループ、襟裏のメルトンといったディテールが潜み、コントラストカラーによってさりげなく際立たされています。 今季を支えるのは、相反する要素の組み合わせです。端正さとラフさ、明るいホワイトと深いトーン。エクリュやトープを基調に、ミントグリーンのサマーニットやプリントシルクタイ、そしてレモンやグレープカラーのソックスが差し色を添えます。また、ブラックが主流となりがちなフォーマルウェアには、ミッドナイトネイビーを取り入れています。
ゲストの席には、手描きの小石がひとつずつ置かれました。それは、日常にあるものの美しさをそっと示す小さな仕草でもあります。コレクションを通して、帆船や貝殻、ペニーをかたどったピューターや真鍮のチャームが、ノスタルジーと遊び心を添えています。ポールの祖父がそうであったように、ポール・スミスのテーラリングには、時を超えて愛される気楽さと遊び心が息づいています。




